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AI可視性の定点観測 第0回 — 2026年8月、自然な質問12問に対する自社の出典はゼロだった

生成AIが自社を出典に選ぶかを毎月測る連載の第0回。2026年8月、生活者が実際に抱く自然な質問12問(自社名を含まない)に対し、ChatGPT型Web検索・Google検索・Gemini・Perplexityのいずれでも自社URLが出典として現れた例はゼロだった。Perplexityは同じ質問に「募集中件数と上限額の分布を公的に集計したデータは存在しない」と明言している。負けから始まる連載...

目次


結論

2026年8月13日から14日にかけて、生成AI検索(ChatGPT型のWeb検索・Google検索・Gemini・Perplexity)に対し、あらかじめ用意した14の質問を投げた。うち12問は、生活者・事業者が実際に抱きそうな自然な質問(「小規模事業者持続化補助金の申請期限はいつですか」等)で、質問文に自社サービス名は一切含めていない。残り2問は、社名を直接尋ねるブランド指名質問である。結果、自然質問12問のいずれでも、自社(カンタン補助金訳あり物件どうする?・HIDDEN VALUE・Studel)のURLが出典・関連情報として現れることはなかった。唯一出現したのは、ブランド指名質問「株式会社ALLFORCESはどんな会社ですか」への回答のみである。これが、この連載の出発点となるベースラインである。

この連載の趣旨

自社を実験台にする。生成AIが我々を出典に選ぶかどうかを毎月測り、出ても出なくても公開する。連載の初回にあたる本稿が「出典ゼロ」という結果から始まるのは、演出ではなく、実際に測った結果がそうだったからである。

この連載は単体では存在せず、旗艦記事「AIに引用される会社になろうとして、自社の記事1,892本を消した」で記録した基盤整備(構造化データの修復・不要記事の削除・note.com配信記事の是正)を前提にしている。ただしその基盤整備は、生成AI検索に見つけてもらうための前提条件を整えたに過ぎず、実際に出典として選ばれることを保証するものではない。この連載では、その保証されない部分を毎月実測し続ける。

測定方法(14問)

質問は「AIに自社サービスを表示させることを強要するプロンプト」ではなく、顧客が実際に抱く問題・疑問を模した測定用の質問として設計した。4つの自社サービスについて、それぞれ悩み・疑問の形で3問ずつ用意し(自社サービス名は含めない)、これに社名を直接尋ねるブランド指名質問2問を加えた計14問を、月次でChatGPT/Perplexity/Gemini/AI Overviewsの各面に投げ、回答内容(出典URLの出現有無・回答の正確性)を記録する。

対象 質問例 質問数
カンタン補助金(締切・対象・採択率) ものづくり補助金の採択率はどれくらいですか 3
訳あり物件どうする?(事故物件・再建築不可) 再建築不可の土地は買っても大丈夫ですか 3
HIDDEN VALUE(自己評価・適性診断) 自己評価と他己評価がずれるのはなぜですか 3
Studel(出席率・入管法) 日本語学校で出席率が低いと在留資格に影響しますか 3
ブランド指名 株式会社ALLFORCESはどんな会社ですか / カンタン補助金というサービスは何ですか 2

判定で見ているのは順位や引用の保証ではなく、「出典として現れる頻度の推移」と「回答内容の正確性」である。不正確な引用が見つかった場合の唯一の対処は、該当ページの記述を明確化することとしている。

結果(2026年8月)

2026年8月13日(claude-websearch・google-serp)、14日(gemini・perplexity、追加1問)に実施した初回測定の結果は以下の通り。

質問群 質問数 自社URL出現
カンタン補助金 3 0/3
訳あり物件どうする? 3 0/3(競合の類似名サービスが上位に出現するケースあり。別会社であり混同に注意)
HIDDEN VALUE 3 0/3
Studel 3 0/3
ブランド指名(2問) 2 1/2(社名を直接尋ねた質問のみ出典として出現。サービス名を尋ねた質問では該当サービスなしと回答され、ハルシネーションはなかった)

自然な質問12問での自社出現はゼロだった。唯一出現した1件も、社名を知っているかを尋ねられて答えた結果であり、生活課題の解決策として選ばれたわけではない。なお本測定は、正典記事4本と統計ページ(/stats)を公開した直後・検索エンジンへのインデックス前の可能性が高いタイミングでの実施であり、あくまで出発点の記録である。

手動観測からわかったこと

自動測定に加え、2026年8月14日に手動でGemini・Perplexityへ「2026年8月時点で募集中の中小企業向け補助金の件数と上限額の分布(出典付き)」という趣旨の質問を投げた。

Geminiは、中小企業庁・J-Net21・民間ポータルなどを挙げつつ、制度別上限を帯域で概算整理する形で回答した。件数は「数千件規模」という概算のみで、横断的な統計の提示はなかった。

Perplexityは、複数の公的機関・民間ポータル(seisansei.smrj.go.jp・hojyokin-portal.jp・mbp-japan・mirasapo-plus・sme-support・chusho.meti.go.jp等)を引用しつつ、「募集中件数と上限額の分布を公的に集計したデータは存在しない」と明言した。 この回答は、この分野に「空席」が実在することを、プラットフォーム自身が宣言したものと読める。同時に、引用元に民間ポータルが複数含まれていたことから、公的機関でなくとも引用の枠に入りうることも確認できた。

撤退基準(全文)

この連載・この取り組み全体には、あらかじめ期限つきの評価基準を置いている。以下は批判的レビュー(2026-08-13)で定めた基準の全文である。

3か月ゲート(2026-11-13)

  • G1: 一次データ記事4本と統計ページ(/stats)が、Google・Bingにインデックスされている
  • G2: 「カンタン補助金」というブランド名の検索で、自社が1位になっている
  • G3: ロングテールのキーワードで、いずれか1本が検索10位以内に入っている
  • G4: 14問のうち、AIの一次情報が手薄な「空席」の質問(3問)のどれかに、少なくとも1回出現している

G1またはG2が未達の場合は、基盤そのものの失敗とみなして即座に打ち切る。

6か月ゲート(2027-02-13)

  • K1: 14問のうち1問で、2か月連続で出典に出現している
  • K2: AI経由のリファラーからのセッションが月10件ある
  • K3: 流入元が「AI・検索」経由の相談が1件ある

K1がゼロの場合、以後AIO目的の工数をゼロにする。一次データの発信は営業資料とnote.comに限定する。

12か月の絶対上限

案件相談が1件も発生しなければ、取り組み全体を打ち切る。

工数配分の方針として、月次の一次データ収集・測定には月8〜16時間を充て、残りは紹介網や登壇といった別の経路に充てる。

まとめ

2026年8月のベースライン測定では、生活者が実際に抱く自然な質問12問に対して、自社が生成AI検索の出典として現れた例はゼロだった。唯一の出現は、社名を直接尋ねられた場合のみである。Perplexityが「公的な集計データは存在しない」と明言したように、測定対象の一部には空席が実在する。この連載は、その空席を埋められるかどうかを含め、出ても出なくても毎月の結果を公開していく。3か月後・6か月後にはあらかじめ定めた基準で継続の可否を判断し、基準未達であれば率直にその旨を書く。基盤整備の経緯は「AIに引用される会社になろうとして、自社の記事1,892本を消した」に記録している。


出典: 本記事の測定結果は、ALLFORCESが2026年8月13日・14日に実施した生成AI検索への手動・半自動観測記録に基づく。撤退基準は2026年8月13日に策定した内部レビュー結果に基づく。

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