この記事は、自社サイトで実測したSEO・AI検索の記録をまとめるシリーズの1本である。業種と地域を掛け合わせて自動生成したpSEO(プログラマティックSEO)ページ611本を、Search Consoleで実測した結果をまとめる。
この記事で分かること
- 611ページのうち何本に表示が付き、クリック・CTRがどうだったか
- 通常の記事群と比べてCTRが高かった理由と、その比較の限界
- 自社ページ同士が同じ検索語で競合していた実例
この記事で分からないこと(正直に書く)
- CTRが高い理由が「pSEOの構造」によるものか「対象キーワードの質」によるものかは、この実測だけでは分離できていない
- 表示がまだ付いていない110ページを畳むべきか厚くすべきかの判断は出していない
業種×地域の掛け合わせで611ページを作った
自社サイトのpSEOクラスタは、業種と地域を掛け合わせたテンプレートで611ページを生成している(出所: 自社の運用記録、確認日2026-09-06)。1業種1ページを個別に書くのではなく、変数を差し替えて量産する設計である。
実測: 501URLに表示、5,758表示・182クリック・CTR3.2%
2026年6月5日から9月3日までの実測で、611ページのうち501URLに検索結果への表示が付いた。合計5,758表示・182クリックで、CTRは3.2%だった(出所: 自社の運用記録、確認日2026-09-06)。611本のうち110本はこの期間まだ一度も表示されていない。
記事群のCTR2.4%より高いが、母数の性質が違う
同じ期間の通常記事群のCTRは2.4%で、pSEOクラスタの3.2%はこれを上回っている(出所: 自社の運用記録、確認日2026-09-06)。ただしこの差を「pSEOの構造が優れている」と単純に読むのは早い。自社の記事群は510本のうち427本が0クリックで、クリックが付いているのは73本だけである。最上位の1本(料金比較の記事)が28日間で21クリックを集め、記事群全体の28日間クリック数は150、1日あたりに直すと5にとどまる(出所: 自社の運用記録、確認日2026-09-06)。母数となるページの性質(業種×地域という具体的な検索語か、一般論の解説か)が違うため、CTRの差だけを見て優劣を決めるのは早計である。
135本の長い裾と、自社ページ同士の共食い
表示が付いた501URLのうち、実際にクリックを獲得したのは135本で、多くが1〜数クリックずつの長い裾を形成している(出所: 自社の運用記録、確認日2026-09-06)。一方で、掛け合わせ型のpSEOには自社ページ同士が競合する問題がある。「ai 導入 福岡 現状」という検索語では自社の4ページが同時に表示され、合計144表示に対してクリックは0だった(出所: 自社の運用記録、確認日2026-09-06)。業種と地域の粒度が近すぎるページを複数用意すると、ユーザーにはどれも同じに見え、検索エンジンにもどれを上位に出すべきか判断がつきにくくなる。
Google自身も、検索順位の操作を主目的にした大量生成ページを問題視している。検索スパムに関する公式ドキュメントは、生成AIツールなどを使って「ユーザーへの付加価値なしに多数のページを生成する」行為を、検索結果から除外すべき「スケールされたコンテンツの濫用」の具体例として挙げている(出典: Google検索セントラル スパムに関するポリシー、確認日2026-09-06)。611ページは検索語ごとに異なる業種×地域の組み合わせを持つため直ちに該当するとは考えていないが、内容が近すぎるページを量産すれば同じ指摘を受けかねない設計だと理解しておく必要がある。
分からないこと・次にすること
135本の長い裾の中身が「検索語との一致度」でできているのか、たまたま検索順位が良かっただけなのかは、この実測だけでは分離できていない。110本の未表示ページを畳むか厚くするかも判断していない。まず着手するのは、共食いが起きている組み合わせ(「ai 導入 福岡 現状」のような近すぎる4ページ)の統合で、次回の実測で表示・クリックがどう変わるかを見る。
量が質の代理にならない問題は、出典の件数を品質の代理にしていた記事でも扱っている。URLを推測で分析すると誤判定が起きる点はファイル名からURLを組むとタイムゾーンでずれる記事も参照してほしい。RAGの標本数設計についての姉妹記事は「標本数の記事」にまとめている。
自社サイトのSEO・pSEO設計について相談したい場合は、お問い合わせから編集部まで連絡してほしい。
よくある質問
Q1. pSEO611ページのうち、実際に検索に出ているのは何本か
2026年6月5日〜9月3日の実測で、611ページ中501URLに表示が付いた。110ページはこの期間まだ表示されていない。
Q2. pSEOのCTRが記事群より高いのはなぜか
pSEOクラスタのCTRは3.2%、通常記事群は2.4%だった。ただし記事群は510本中427本が0クリックという裾の重さがあり、母数の性質が違うため単純な優劣比較はできない。
Q3. 自社ページ同士が競合することはあるか
ある。「ai 導入 福岡 現状」という検索語では自社の4ページが同時に表示され、合計144表示に対してクリックは0だった。業種・地域の粒度が近すぎるページを複数用意すると起きる。
Q4. 611ページ全部にこのまま投資すべきか
判断していない。135本の長い裾がどこまで再現性のある成果か、110本の未表示ページを畳むか厚くするかは、この実測だけでは決められていない。