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PoC費用に何が含まれるか|自社の公開参考価格と費用構造で考える

PoC費用の金額だけを見ても、その中に何が含まれているかは分からない。自社が公開している料金プランと、自社実装の費用構造をもとに、PoC費用を検討するときに確認すべき観点を整理する。

この記事は、発注側がAI開発の支援会社を選ぶ際の判断材料に関する検証シリーズの1本である。PoC(概念実証)や小規模導入の費用がどう決まるかを、自社が公開している参考価格と、自社実装の費用構造から整理する。自社も同じ業態であるため、当社を選ぶべきという主張はしない。

この記事で分かること

  • 費用がビルド時と実行時という異なる性質の2つに分かれること
  • 自社が公開している料金プランに何が含まれているか
  • PoC段階の価格が低く見える理由と、価格が上がる条件

この記事で分からないこと(正直に書く)

  • この費用構造が他の支援会社にも当てはまるかどうか
  • 業界全体のPoC費用の水準

費用を一つの数字で語れない理由

自社が運営する対話エージェント基盤(convai)では、費用の発生するタイミングが二つに分かれている。テナントを追加したり原本データを更新したりするたびに発生するビルド時費用と、会話が発生するたびに発生する実行時費用である。自社実装の実測では、ビルド時(生成と盲検検証込み)の費用は1テナントあたり概ね1,500円で一回限りの費用、実行時(確定配信・LLM呼び出し0)の費用は1会話あたり概ね0〜1円で、実測値は0.12円/セッションである(出所: 自社の運用記録、確認日2026-09-06)。PoC費用を検討するときは、提示された金額がこの二つのどちらの性質の費用を指しているのかを分けて考える必要がある。

公開している料金プランの中身

自社が公開しているconvaiの料金プランは、Free/検証が月額0円、Standardが月額30,000円、Proが月額80,000円、Enterpriseが応相談という4段階になっている。Free/検証には基本機能の検証に加えて、幻覚率自動検証・データ品質チェック、検証レポートが含まれている。Standardには本番運用に加えて検証・モニタリング、メールサポートが含まれ、Proには高度な分析・レポート、SSO対応、優先サポートが含まれる(出所: convai公開LP、確認日2026-09-06)。PoC費用の中身を確認するときは、金額の大小だけでなく、検証レポートのような品質保証にあたる項目が価格のどの段階から含まれているかを見る観点がある。

価格が低く見える理由

自社の料金プランには「全プラン実行時0 LLMで低価格を実現しています」という注記がある(出所: convai公開LP、確認日2026-09-06)。これは、実行時に触るのが索引だけで応答のたびにLLMを呼び出さない確定配信の構成を採っているため、実行時費用がほぼゼロに近づき、その分を月額料金に反映できるという説明である。逆に、応答のたびにLLMを呼び出して生成する構成では、会話数の増加に応じて実行時費用が積み上がるため、同じ月額の低さを維持できる条件が異なってくる。PoC費用が低く提示されている場合、その低さが何によって成立しているかを確認する価値がある。

PoC費用を聞くときに確認すべきこと

PoC費用を検討する際に聞く価値がある質問は次の3つである。1つ目、「その金額はビルド時の一回限りの費用か、実行時に継続してかかる費用か」。2つ目、「検証レポートのような品質保証にあたる作業は価格に含まれているか、それとも別費用か」。3つ目、「PoCの規模(テナント数・会話数)が広がったとき、費用はどちらの性質の費用として増えるか」。これらは適正価格を判定する質問ではなく、見積の前提を明らかにするための質問である。

PoC費用の見積もりについて相談したい場合は、お問い合わせから編集部まで連絡してほしい。丸投げがなぜ失敗するかは姉妹記事「丸投げが失敗する理由」、社内に残す知識の設計は「社内に残す知識の設計」を参照してほしい。

よくある質問

Q1. PoC費用は月額料金と同じ考え方で見てよいか

月額料金がビルド時費用(初期構築)と実行時費用(継続利用)のどちらを主に反映しているかは支援会社によって異なる。自社の場合、月額料金には検証レポートなどビルド時の作業も含まれているため、金額だけでなく中身を確認する必要がある。

Q2. 検証レポートは追加費用になることが多いか

一律には言えない。自社の場合はFree/検証の段階から幻覚率自動検証やデータ品質チェック、検証レポートを料金プランに含めている(出所: convai公開LP、確認日2026-09-06)。含まれているかどうかは支援会社ごとに確認する必要がある。

Q3. なぜ実行時費用が低いとPoC費用も低く提示できるのか

実行時に触るのが索引だけで、応答のたびにLLMを呼び出さない構成を採ると、会話数が増えても実行時費用がほぼ増えない。自社実装ではこの構成により実行時費用が1会話あたり概ね0〜1円、実測0.12円/セッションに収まっている(出所: 自社の運用記録、確認日2026-09-06)。この構造が月額料金の低さの前提になっている。

Q4. PoCの規模が広がると費用はどう変わるか

ビルド時費用はテナント数や原本データの更新頻度に応じて増え、実行時費用は会話数に応じて増える。どちらの性質の費用が増えるのかを事前に確認しておくと、規模拡大時の費用感を見積もりやすくなる。

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