この記事で分かること・分からないこと
- 分かること: 明細に残るビルド時のLLM費用と、手前の原本整備が別の性質を持つこと
- 分かること: 原本データがどこに置かれ、何のために整形されるか
- 分からないこと: 原本整備にかかる人手の工数を円に換算した金額(ファクトシートに無い)
明細に載るもの、載らないもの
見積もりに出やすいのはLLM呼び出しの費用である。自社実装ではビルド時(生成+盲検)の費用が約¥1,500/テナントと実測されており(出所: docs/STORAGE_AND_BILLING.md、確認日2026-09-06)、課金明細として残るため反映しやすい。一方、その前提にある原本データを検証可能な形へ整える作業は人手の整形作業であることが多く、円換算の金額はファクトシートに記録されていない。明細だけで見ると、この部分が抜け落ちる。
何をどこまで整えるのか
自社実装の幻覚検査(Layer1)は、応答中の事実主張を取り出し真実集合(grounding fact)と正規化照合する(出所: services/verifier/src/grounding-gate.ts、確認日2026-09-06)。照合対象は数値+単位・期間・科目名らしき語に正規化されている必要があり、原本データはR2に置かれ実行時には読まれない大容量の投入原本として扱われる(出所: docs/STORAGE_AND_BILLING.md、確認日2026-09-06)。実行時に軽量な索引(D1)だけを引く構成にするには、その手前で原本を照合可能な形に変換しておく必要があり、この変換が整備にあたる。自社実装の検証対象は有界ドメインの107テナント・約9,933件のデータという規模で(出所: services/verifier/out/ucaro-verification.json、確認日2026-09-06)、ビルド時費用≈¥1,500/テナントは整備後の生成・盲検にかかるLLM費用であり、整備そのものの工数は含まれていない。
見積もりでの扱い方
整備の工数を円換算した数値が無い以上、「整備費が全体の何割か」という比率は主張できない。明細に残る≈¥1,500/テナントは費用構造の一部でしかなく、その手前に金額の見えない工程があるという構造だけは言える。見積もりはLLM費用の明細だけで組まず、整備の時間を別枠で見ておく必要がある。原本変更時の再整備の範囲はビルド時と実行時の費用構造の記事で扱う。
よくある質問
Q1. 初期のデータ整備にはいくらかかりますか?
ファクトシート上、整備工数を円換算した金額は記録されていない。明細に残るのはビルド時(生成+盲検)の≈¥1,500/テナントで、これは整備後のLLM費用である(出所: docs/STORAGE_AND_BILLING.md、確認日2026-09-06)。
Q2. なぜ整備の費用は見積もりから漏れやすいのですか?
整備は人手や既存業務データの整形作業であることが多く、LLM呼び出しのように課金明細として残らないためである。
Q3. 何を整える必要があるのですか?
幻覚検査(Layer1)が照合できる形、数値+単位・期間・科目名らしき語に正規化されたデータへ原本を落とし込む作業である(出所: services/verifier/src/grounding-gate.ts、確認日2026-09-06)。
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