この記事は、自社サイトで実測したSEO・AI検索の記録をまとめるシリーズの1本である。生成AI検索に自然な質問をしたところ、自社の引用が0件だった観測をきっかけに、「出現なし」を一括りにしていたことに気づいた。この記事については、裏付けとなる外部の一次資料は無い(自社の実測のみに基づく)。
この記事で分かること
- 「出現なし」の2つの意味(検索そのものが発火しなかったのか、発火したが選ばれなかったのか)
- 41件の観測を見直した結果、どちらが主戦場だったか
- 0件引用が「AIの幻覚」ではなく、自社の発信内容が原因だった実例
この記事で分からないこと(正直に書く)
- 検索が発火したかどうか判定できなかった観測(unknown)2件の内訳は特定できていない
- 検索がそもそも発火しない質問(no)2件に対する打ち手は、この記事の時点でまだ実施していない
自然な質問をしたら、自社の引用が0件だった
生成AI検索に「自分の内面を知る方法って何かありますか」という自然な質問をしたところ、引用が1件も無い回答が返った。内容はジャーナリングや自己分析の古典的な手法だけで、外部ページを検索して引用した形跡が無かった(出所: 自社の運用記録、確認日2026-09-06)。同じ週に、別の質問では自社サービス(カンタン補助金)が1日で引用された例もあり、同じ「自社が出ない」という現象でも中身が違うのではないかと考えた。
「検索が発火したか」と「選ばれたか」を分けて記録する
「出現なし」には2種類ある。生成AI検索での可視性を測るとき、「自社が出たか」だけを記録すると、原因が違う2つの状態が同じ「出現なし」に潰れてしまう。検索は走ったが自社が選ばれなかった場合はサイト側の内容や構造の改善に意味があるが、そもそも検索が走らなかった場合は自社サイトをいくら整備しても原理的に引用され得ない(出所: 自社の運用記録、確認日2026-09-06)。前者と後者では打ち手が異なるため、まずどちらの状態かを分けて記録することにした。
実測: 41件の観測でyes37・no2・unknown2
過去の観測ログに「検索が発火したか」の列を足して埋め直したところ、41件の観測のうちyes(発火した)が37件、no(発火しなかった)が2件、unknown(判定不能)が2件だった。生活者向けの質問に絞ったGemini12件の観測でも8件・2件・2件という同じ比率だった(出所: 自社の運用記録、確認日2026-09-06)。検索はほぼ毎回発火しており、それでも自社が選ばれていない、というのが実際の内訳だった。1件の出典ゼロの回答だけを見て「サイト整備では届かない」と判断していたのは、母集団を1件で代表させた誤りだったことになる。
0件引用の内訳は「AIの幻覚」ではなく、自社の発信内容だった
別の観測では、生成AI検索8問への回答で自社の出現が0件だっただけでなく、自社の事業内容が誤って説明される例もあった。原因を調べると、AIの幻覚ではなく、自社がAIクローラー向けに公開していたページの文言そのものに、実際には提供していない業務を示唆する表現が残っており、それがそのまま引用されていたことが分かった。料金の記載がそのページに無かったため、AIが空白を業界一般の説明で埋めていたことも重なっていた。2026年8月、提供する内容としない内容・料金・運営会社の情報を可視本文と構造化データの両方で一致させるページを新設し是正した(出所: 自社の運用記録、確認日2026-09-06)。
打ち手は違う: 発火しない質問と、発火して負けている質問
この記事で確認できた範囲では、自社の主戦場は「検索は発火するが選ばれていない」側だった。ここではサイトの内容・構造・鮮度の改善が効く。一方で検索がそもそも発火しない一般的な概念の質問は、自社ドメインの整備だけでは対処できず、第三者の言及を増やすといった別の打ち手が必要になる(出所: 自社の運用記録、確認日2026-09-06)。この記事では前者の実例を扱ったが、後者への具体的な打ち手はまだ実施していない。
母数の性質を見ずに1件の観測を全体の傾向として読む危うさは、出典の件数を品質の代理にしていた記事やpSEO611ページの実測記事とも共通する。RAGの標本数設計についての姉妹記事は「標本数の記事」にまとめている。
自社サイトのAI検索対策・AIO設計について相談したい場合は、お問い合わせから編集部まで連絡してほしい。
よくある質問
Q1. AI検索で自社が出てこないのは、いつも同じ原因なのか
いいえ。検索そのものが発火しなかった場合と、検索は発火したが自社が選ばれなかった場合があり、原因も打ち手も異なる。両者を分けずに記録すると、投資先を間違える。
Q2. 実際に測ってみて、どちらが多かったのか
41件の観測のうちyes(発火した)が37件、no(発火しなかった)が2件、unknown(判定不能)が2件だった。検索はほぼ毎回発火しており、それでも自社が選ばれていない状態が主戦場だった。
Q3. 引用が0件だったのはAIの幻覚が原因か
いいえ。自社がAIクローラー向けに公開していたページの文言に、実際には提供していない業務を示唆する表現が残っており、それがそのまま引用されていたことが原因だった事例があった。2026年8月に是正した。
Q4. 検索が発火しない質問にはどう対処すればよいか
自社ドメインの整備だけでは対処できない。第三者ドメインでの言及を増やすなど別の打ち手が必要になるが、この記事の時点では具体的な実施には至っていない。